基本的にボイトレは毎日やった方が良いのですが、何の練習をすればいいのか、何から練習をすればいいのかが分からない人は多いです。
そして、そんな人に多いのが、毎日のボイトレメニューが日によってバラバラになってしまっているということです。
「今日はとりあえず裏声の練習をしよう」、「昨日はロングトーンの発声をやったから今日は単音の発声練習だ」「今日はひたすらシャウトの練習をしよう」とかですね。
正直、毎日のボイトレメニューが決まっておらず、バラバラだと練習効率が非常に悪いです。
この記事では毎日のボイトレメニューはどうしたらいいのかについての説明と、発声が上達するために行うべきボイトレメニューについて説明をしています。
この記事の内容を取り入れて自分のレベルアップに繋げていきましょう!
ボイトレメニューは固定して、ルーチン(毎日)にする

まず、ボイトレメニューを固定した方が練習効率が上がり、上達スピードも速くなります。
アレもコレもとただ闇雲に練習をしたりするのは、効率が良いとは言えないんですよね。
上手い発声というのは「力」を使った結果ではなく、繊細な感覚を体に染み付かせて、力では決して動かない神経をいかに動かした結果なのです。
この感覚や神経を上手く動くようにするかというと、毎日の反復練習しかありません。毎日です毎日。ここがポイントです。
良い発声を見つけるために、毎日同じ練習を繰り返し行います。
そして、自分にとって良い発声を見つけられたら、何も考えなくてもその発声を自然に出せるようなるまで、体に身に付くまで、またひたすら反復練習をする…もうこれしかないんですよね。
ちなみに筋トレでよく言われている超回復(1日筋トレをしたら2日程度休息日を設けることで喉の筋力を効率的にUPさせる)はボイトレには全く当てはまりませんので、安心して毎日練習しましょう。
ってかしてください。
先ほども説明した通りで、喉は筋肉じゃないからです。大事なのは神経や感覚をいかに研ぎ済ませられるかです。
ボイトレメニューは基本メニュー+弱点克服練習orミックスボイス練習
毎日のボイトレメニューの組み方のおすすめとしては、後に説明する基本メニューを行った後に、自分が苦手としている部分、つまり弱点を克服する練習をしましょう。
弱点が見つからない、又は多すぎるよ!っていう人はミックスボイスの習得、強化の練習をするのが良いです。ミックスボイスの練習をすることで大抵の弱点と呼ばれるものは改善できるからです。
基本メニューについてですが、喉のウォーミングアップと、全ての発声の土台になってくる部分になりますのでおざなりにせずにきっちり練習をして下さいね。
基本メニューをこなした後は、弱点克服練習orミックスボイスの練習に入ります。
例えば、裏声が弱い人は裏声を重点的に鍛えて、地声が弱いなら地声を鍛えるし、換声点付近が不安定であれば換声点を跨ぐ練習をするなどです。
ボイトレメニュー:①腹式呼吸

それではボイトレ基本メニューの一番最初、腹式呼吸から始めていきましょう。
スポーツをする前に準備運動をしてから行うの普通ですよね?
それは発声にも当てはまることです。
いきなり発声から始めてしまうと、声が出しづらいですし、練習効率も下がってしまいます。
ボイトレを始める前には準備運動となる腹式呼吸から入るべきですね。
練習方法についてですが、別のページで説明をしています。
【最新】腹式呼吸の簡単なやり方と3つの練習方法:〇秒で息を吸って、〇秒吸った息をキープして、〇秒かけて息を吐く
【最新】腹式呼吸の簡単なやり方と3つの練習方法:ドッグブレス
腹式呼吸の練習には体と心のリラックスをさせる狙いもあります。
発声時にはなるべく脱力をした状態(意識)がベストです。
体が強張った状態だと喉にも力が入ってしまいます。
また、人にもよりますが、気持ちや心に落ち着きがなければそれも力みに繋がる原因となります。
腹式呼吸で一旦体も精神面もリラックスをさせて、発声練習に入っていきましょう。
ボイトレメニュー:②-1リップロール
腹式呼吸で呼吸を整えたら次はリップロールで喉を暖めていきましょう。
リップロールという言葉を始めて聞く人もいるかもしれないので、一応こちらの解説をします。
リップロールという言葉の通り、唇を巻く感じですね。
例を挙げると、子供がふざけて唇をプルプルさせてたりするアレがリップロールです。
このリップロールをすることでどういった効果があるのかというと
・喉の脱力に繋がる
・喉の血行が良くなり、声が出しやすくなる
・正しい息の量のバランスを見つけられる
・地声と裏声を繋げることができる
といった効果があります。
「唇をブルブルさせるだけで練習になるの?」と思われるかもしれませんが、リップロールをするだけで、人によってはミックスボイスを見つけることが出来たり、音域や声量がレベルアップすることもあります。
リップロールのやり方についてですが、
口の両端を右手と左手の人差し指で軽く押さえて、弱めの息で唇をブルブルと震わせます。
言葉で説明をすると、本当にこれだけです。そんな難しい技術でもないので数分もあれば誰でも出来るようになるはずです。
youtubeでもリップロールについて詳しく解説されてたりするので、そちらを確認してみるのも良いかと思います。
リップロールのコツについてですが、強い息は不要でなるべく弱い息で長くリップロールを続けられるようにしましょう。
youtubeなんかでやたら勢いのある強い息でリップロールをしている人がいますが、練習の趣旨を間違えているので参考にしないようにしましょう。
リップロールは最小の息をいかに安定して流し続けられるかという練習です。
唇をブルブルと強く振動させても、唇が痛くなるだけですし、強い息を出したいというならわざわざリップロールで練習する必要性はありませんからね。
ボイトレメニュー:②-2タングトリル
タングトリルもリップロールと同じく有名なウォーミングアップの1つです。
タングトリルはその名のとおりで舌を回転させる練習です。
説明をすると、舌先を口の中の上の固いところに軽くくっつけて、そこに息を流して、舌をリップロールの様に振るわせる感じですね。リップロールと比べるとちょっと難しいかもしれません。
タングトリルも練習をしてもいいのですが、正直、リップロール1つやっていればタングトリルはやらなくてもいいんじゃないかなと個人的に思います。
なぜなら、リップロールもタングトリルもやり方は違えど、どちらも先ほど説明した通りの同じ練習効果があるからです。
ボイトレメニュー:③地声の発声練習
腹式呼吸、リップロール(タングトリル)とウォーミングアップが完了し、喉が暖まってきたら、いよいよ発声練習に移っていきましょう。
まずは地声の発声練習です。
なお、練習する音域としては換声点の手前くらいまでの音域にしておきましょう。
基本的に換声点以上の音は、裏声かミックスボイスで出すべきなので、地声の練習ではそこまで高い音は必要ないです。
無理に換声点以上の高音を地声で出しても、喉締めやら変な癖がつきますし、発生のバランスが崩れる等悪いこと尽くしなので止めておきましょうね。
私は大体lowE(低いミ)からmid2D#(中音のレ)くらいまでの音域を地声で練習しています。
練習方法としては「ア」の発音で自分の換声点の手前まで発声練習をしていきます。
ピアノやキーボードなどの楽器を使って、目当ての音を鳴らしながら発声するのが良いです。
実際に楽器を持っていなくても、ネット上でピアノの音を簡単に鳴らせることが出来るサイトがあるので安心してくださいね。
また、youtubeには発声練習用に作られたピアノの音階動画がいくつも上がっているので、こういったものを使って練習をするのが良いと思います。
ボイトレメニュー:④裏声の発声練習
次に裏声の練習をして基本メニューを終えましょう。
裏声の練習についてですが、YUBAメソッドの練習方法がおすすめです。
どんな練習の方法かというと、フクロウの声真似をするように裏声で「ホー」と発声するだけです。
この練習のポイントは、出来る限り息を漏らした裏声で「ホー」と発声することです。
息が漏れた裏声を発声することで、裏声の発声に大きく関わってくる輪状甲状筋が鍛えられるのです。
詳しくはYUBAメソッドのボイトレ本を読んでみるといいです。
この「ホー」の発声で練習をするべき音域についてですが、男性なら換声点付近からhiC(高いド)くらいまでで充分です。
前述したとおり、息漏れをさせる=輪状甲状筋が鍛えられるなので、高い音を出すよりもいかに、脱力をして息を漏れさせることを意識しましょう。
ボイトレメニュー:⑤弱点克服練習orミックスボイスの練習
腹式呼吸、リップロール、地声と裏声の発声練習が終わったら、自分が苦手としている部分を練習したり、ミックスボイスの練習に入ります。
弱点を克服するための練習は個人個人で違ってきますので、ここでは割愛させていただきます。
※他の記事で声の悩みについて色々と解説しているので、そちらをご覧頂くのも良いと思います!
ミックスボイスの練習についてですが、こちらも人によってレベルが違うため、この練習をして下さいとは言い切れません。ですが基本的に、既に地声と裏声の発声練習は済んでいるので、換声点を跨ぐ練習を重点的にすると良いかもしれません。
ボイトレメニューのまとめ
ボイトレは日々の積み重ねが大事です。
1日練習しただけでプロ並に歌えるようになるなんてことはほぼありません。
ここで説明したボイトレメニューを基本にして、練習をしていくのがおすすめです。
個人的には更にボイトレ教室に通って実際の発声をみてもらいながら、練習を進めていくのがベストですけどね。