・低音域のエッジボイスは出せるけど高音域だと出来ない
・高音域のエッジボイスはミックスボイスのきっかけになるから練習したい
このようなお悩みについて解説していきます。
・エッジボイスを高音域で出す意味とは?
・エッジボイスを高音域でも出せるようになる方法
エッジボイスって低音でしか出せないと思われる方は多いと思います。
確かにその通りではありますが、高音域でもエッジボイスを出すことによって、発声のレベルアップをすることが可能です。
かくいう私もエッジボイスを高音域で出せるようになってから、ミックスボイスを見つけることが出来たからです。
この記事ではエッジボイスを高音域で出せるようになった練習方法について解説していきます。
エッジボイスを高音域で出す意味とは?

高音域での声帯閉鎖の感覚をつかめる
基本的に地声で高い声を出そうとすると、声帯閉鎖が弱まっていき、声が裏返ってしまう、つまり裏声になってしまいます。
エッジボイスは声帯閉鎖の感覚を養うのに非常に適しています。
そのため、高音域でエッジボイスを出せるようになると、高音域でも声帯閉鎖の感覚を養うことが出来て、高音発声が非常にしやすくなるというわけです。
ミックスボイスのきっかけづくり
高音域での声帯閉鎖の感覚養うことはミックスボイス習得のためには必要不可欠なことです。
ミックスボイスは高音域で声帯閉鎖を強くすることで発声出来るためです。
私自身もミックスボイス習得のために、高音域でエッジボイスをを出す練習を毎日のボイストレーニングメニューに組み込んでいました。
もちろん、高音域でエッジボイスが出せる=ミックスボイスが出せる様になる、というわけではありませんが、アプローチ方法の1つとして非常に有効な練習ですので、練習メニューに取り入れるべきです。
エッジボイスを高音域でも出せるようになる練習方法
高音域でエッジボイスを出すのは、難しいと思われるかもしれませんが、練習を続けていけば誰でも出来るようになるので安心してください。
練習STEPとしては下記の通りです。
・1.通常のエッジボイスを出す
・2.エッジを鳴らしながら地声の換声点付近まであげていく
・3.換声点よりも少しだけ上の音域まで地声のエッジボイスで出せるようにする
・4.換声点付近からは地声のエッジボイスから裏声のエッジボイスへ移行する
・5.高音域でも裏声のエッジボイスで発声出来るようになる
上記の5STEPで高音域でもエッジボイスを出せるようになります。
それでは各STEPを詳しく解説をしていきます。
STEP1:通常のエッジボイスを出す
大前提としてまずはエッジボイスを出せるようになりましょう。
そもそもエッジボイスが出来ないと話になりませんからね。
エッジボイスについては下記の記事で解説をしています。
エッジボイスは特別な練習することなく簡単に出来るはずです。
STEP2:エッジを鳴らしながら地声の換声点付近まであげていく
エッジボイスを出せるようになったら、あとはそのエッジ感を残したまま、音程を徐々に高くしていきましょう。
エッジの鳴り方、粒が均等の状態で高くしていきます。
エッジの鳴り方が不安定であったり、途切れ途切れになる場合は、息の流れが不安定になっているか、喉に不必要な力が入っています。
腹式呼吸で息を流す意識をしたり、リップロールの発声を思い出すといいでしょう。
変な声になってもいいいので、とにかくエッジがちゃんと鳴っていることが大事です。
そして、換声点であるmid2D~mid2F付近まで発声出来るように練習していきます。
エッジボイスは低音域限定の発声ではありません。
中音域でも高音域でも発声出来るようにした方が、ミックスボイスの練習にもなりますし、歌のテクニックにも応用できます。
STEP3:換声点よりも少しだけ上の音域まで地声のエッジボイスで出せるようにする
エッジボイスのままで換声点まで発声出来るようになったら、多少喉を締めても構わないので、自分の換声点の1音程度上まで頑張って発声します。
換声点がmid2Dならmid2Fを目標に、換声点がmid2Fならmid2Gを目標にして下さい。
換声点より高い音をエッジを残したまま、発声するのは結構難しいので、エッジが途切れ途切れになってしまっても大丈夫です。
喉を締めるのはよくないのでは?と思われるかもしれませんが、これはあくまでエッジボイスを高音域まで出せる感覚をつかむための練習なのです。
換声点よりも高い音をエッジボイスで出せている感覚を自分の中で落とし込めればOKです。
この練習を長時間やると悪い癖がついてしまうので、感覚だけ掴めたら後は練習する必要はありませんからね。
STEP4:換声点付近からは地声のエッジボイスから裏声のエッジボイスへ移行する
換声点より上で地声のエッジボイスを出せる感覚を身に着けることが出来たら、次は少し難しいですが換声点で地声のエッジボイスから裏声のエッジボイスに切り替えをしていきます。
裏声のエッジボイスなんて出来ない!と思われるかもしれませんが、STEP3で養った感覚があれば実は簡単です。
STEP3で換声点より高い音域も地声で踏ん張ってエッジボイスを出していましたが、今度は踏ん張らずに力を抜くことで裏声のエッジボイスに移行しやすくなります。
この時、気を付けて欲しいのが力を抜くと言っても、エッジボイスの鳴りだけは残すということです。
エッジボイスの粒は残しつつ、力を抜くことで、自然と地声から裏声に裏返ります。
裏返った時にエッジボイスの感覚を意識し続ければ、裏声のエッジボイスを発声することが出来ます。
STEP5:高音域でも裏声のエッジボイスで発声出来るようになる
STEP1~4までが出来ていればあとは裏声のエッジボイスの精度を上げるためにひたすら発声練習あるのみです。
まずは換声点付近の音域から裏声のエッジボイスで発声します。
感覚がつかめてきたら、半音ずつ音を高くしていき、裏声の最高音の手前の音まで裏声のエッジボイスで上がっていきましょう。
最高音までエッジボイスを持っていこうとするのは、かなり難しいですし、そこまで無理をする必要もありません。
エッジボイスを高音域で出すのは難しくはない
エッジボイスって低音でしか出せないイメージがあるかと思いますが、高音域でも出すことは可能です。
高音域でエッジボイスを出せるようになると、声帯閉鎖の感覚を養うこと出来ますし、ミックスボイス習得のために必要な練習でもあります。
是非、沢山練習してエッジボイスを極めていきましょう。
地声・裏声問わずにエッジボイスでの練習は人によっては喉を傷めてしまうことがあるので、休憩をはさんだり、自分の喉の状態を見極めながら練習をしていきましょう。