ミックスボイスについて調べた時に1度は目にしたことのある換声点。
「換声点ってよく分からない」、「喚声点?換声点?どっちなの?」などなど、疑問だらけの人に対して、今回はこの換声点ついて解説をしていきます。
換声点について知っているのと知っていないのでは、ミックスボイスの練習効率に大きな影響があります。
ミックボイスを早く出したい!というなら、換声点は必須知識です。
また、ボイストレーニングでは結構頻繁に使われる用語なので、これを機に覚えてしまいましょう。
換声点とは?
一言で説明すると、地声と裏声の境目のポイントが換声点です。
音の高さで言うと、個人差はあるのですが、男性であればmid2D(D4)~mid2F(F4)、女性であればmid2G#(G4#)~hiB(B4)の付近です。
人によって上記よりも低いところに換声点がある人もいれば、高いところに換声点がある人もいます。
一般的に純粋な地声の最高音というのはこの換声点近辺の音までとなります。
これよりも上の高い音を出すためには、裏声の筋肉も使うこと、つまりミックスボイスが必要となります。
自分の換声点を把握しておくことで、「自分はこの音までは地声で出せるから、この辺りからミックスボイスに入っていかないといけない」と知ることが出来ます。
もしも、自分の換声点が把握出来ていないと、高い音を無理に地声で出してしまい、ミックスボイスも習得できず、喉をただ痛めてしまうだけです。
ちなみに「換声点」が正解です
恐らく「かんせいてん」をそのまま変換すると喚声点と変換されてしまいますが、正しくは「換声点」です。
間違えて使わないようにしましょうね。
換声点の位置を確認しよう
「換声点の意味は分かったけど、具体的にどの辺りにあるか分からない」、
「そもそも換声点が見つからない」
という人には、こちらの方法で自分の換声点を確認してみましょう。簡単に出来ますよ。
1.地声の「アー」で低い音を出します。
2.そのまま、高い音へ上がっていきます。
3.そうすると地声で耐え切れずに裏返ってしまう、又は裏声に切り替わる音があると思います。
4.その裏返ってしまった所の音が換声点です。
最初はピアノや音階を使わずにやってみましょう。
その方が自然に換声点を実感できるからです。
その後にピアノや楽器で音出して、その音に合わせてながら発声を行い、自分の換声点を確認すると良いです。
稀にこの確認方法をやったけど、「裏返らなかった」とか「換声点がめちゃくちゃ高い所にある」という人が出てきます。
声が裏返らなかった
もしも裏返らなかったという人は換声点を克服出来ている人、つまりミックスボイスが完成している、又はその手前にいる人ですね。
裏返らないということは地声と裏声の筋肉が両方ともちゃんとバランスよく使えているからです。
「換声点が高い所にあった」という人は恐らく地声が普通よりも高い人だと思います。
それはそれで問題は無いのですが、中には無理やり裏返らないように喉に力を入れてやっている人がいます。
こちらは換声点の確認の意味がなくなってしまうので、変な意地を張らずに、リラックスした状態で確認をしてみてください。
声が裏返ってしまうことは何も恥ずかしいことではありませんよ。
換声点の位置が高いor低いところにあった
喉という楽器は人それぞれでスペックが違います。
換声点の位置も個人差がありますので、人によっては男性でも女性と同じくらい高い音だったり、女性でも男性と同じくらい低い音だったりします。
換声点の位置が人と違っても、ミックスボイスを習得するのには特に問題はありませんのでご安心を。
大事なのは自分の換声点の位置を把握して、その音を練習していくことにあるからです。
換声点がガラガラしたり、かすれる原因
換声点付近は非常に繊細な音域かつ、声のバランスが非常に崩れやすい音域です。
地声でも裏声でも出せる音ではあるのですが、地声で出そうとするとちょっと苦しいですし、裏声だと音が低すぎてちゃんとした裏声にならなかったりしてしまいます。
そのため、換声点の辺りで声がガラガラしてしまったり、声がかすれてしまったりします。
換声点でガラガラするなら声帯閉鎖を緩める
声がガラガラしてしまうのは、声帯閉鎖が強すぎてバランスが取れていない状態だからです。
詳しく説明すると、換声点の手前の音の時点の地声が強すぎるため、換声点に入っても地声を緩めることが出来ず、そして裏声にも上手く移れないがため、声帯のバランスが取れず、結果、声がガラガラしてしまうというわけです。
ですので、低音部分での地声の力を弱めて、換声点の手前から裏声を強く入れていくイメージをすると良いです。
ちなみに換声点付近のガラガラ声とエッジボイスは全然違うものです。
前者は声帯閉鎖があっていないだけなので、このガラガラを出し続けていても何も上達はしません。
換声点でかすれてしまうなら声帯閉鎖を強くする
かすれてしまう場合は、逆に声帯閉鎖が弱い状態です。
換声点付近で少しだけエッジボイスを入れるようにしてみると良いです。
地声を入れる意識にしてしまうと、声帯のバランスが崩れてしまい、裏返って(ブレイク)しまいます。
軽いエッジボイスであれば、声帯のバランスを大きく崩すことなく、声帯閉鎖を強めることができます。
換声点を克服する練習
おすすめの練習方法はこちらを参考にしてみてください。
換声点は消えない?

換声点は100%消すことは出来ません。常に存在しているものになります。
ですが、練習を重ねていくことで、換声点を目立たないようになってきますね。
ただ、その日の声の調子によっては換声点が安定しない日も出てきてしまいます。
プロの歌手でも声の調子が悪ければ、換声点付近がいつもよりも不安定になったり、裏返ったりするものですしね。
換声点を克服するにもとても時間がかかりますし、安定させるのも難しいです。
その日の調子に一喜一憂せずに、気長に構えて練習をしていきましょう。