ミックスボイスを出すためには地声や裏声を鍛えるのはもちろんですが、もう一つ重要なポイントとして「換声点の克服」があります。
ですが、換声点を消すのってとても難しいですよね。
私もこの換声点を克服するのにとても時間がかかりました。
換声点さえ克服してしまえば、ミックスボイスに到達するまでは割りとすぐだったりします。
「そもそも、換声点って何?」という人はこちらの記事が参考になります。
換声点を克服する発声練習
換声点を克服するためには、この2つの練習を繰り返していれば大丈夫です。
私も毎日ひたすらこの練習をしていましたが、今では換声点をそこまで感じなくなりました。
サイレン発声

まずはサイレン発声をやってみましょう、
1.地声の「アー」で低い音を出します。
2.そのまま、高い音へ上がっていきます。
3.そうすると地声で耐え切れずに裏返ってしまう、又は裏声に切り替わる音があると思います。
4.その裏返ってしまった所の音が換声点です。
これは別記事で換声点の位置を確かめるために使った確認方法なんですが、これを使って練習をしていきます。
サイレン発声をしたときに、換声点で声が裏返ってしまったと思います。
今度は裏返りが目立たないように、地声から裏声へ徐々に切り替えを行い、高音まで上っていってください。
高音の頂上まで上っていったら、次は出だしの低音まで下がっていきましょう。
高音へ上がっていくときと同様に、換声点付近で裏声から地声にスムーズに切り替えを行う意識を持って下さい。
このサイレン発声を何度も繰り返し行うことで、喉の神経が地声と裏声の筋肉を両方使うように開発されていきます。
この神経がミックスボイスを出すために必要な要素の1つです。
毎日短時間でも良いので、サイレン発声をしてこのミックスボイス神経を開発していきましょう。
YUBAメソッド
ボイトレのメソッドとして有名なYUBAメソッドもこのサイレン発声の練習を取り入れています。
こちらの本は自分のレベルにあった音階で発声練習が出来るのでおすすめです。
メッサディヴォーチェ

必殺技の様な名前ですが、このメッサディヴォーチェは声楽で使われる歴史のある発声トレーニングです。
主に換声点を克服したり、ミックスボイスを強化するのにおすすめの練習方法なのです。
まずは練習方法から説明をしますね。
1.自分の換声点となる音を地声で「アー」で発声しましょう。男性ならmid2F、女性ならhiAですね。
2.地声で「アー」と出しながら、出している音程は変えずに地声から裏声へ移行しましょう。
3.地声から裏声に移行し終わったら、その流れで今度はまた地声に戻りましょう。この時も音程は変えずに、同じ音を保ったままです。
文面だけみると簡単そうだと思われるかもしれません。
ですが、このメッサディヴォーチェはとても難しいです。
最初の内は地声から裏声に移る時に同じ音程を保てなかったり、裏返ってしまうはずです。
ポイント:脱力と少しだけの息漏れ、低めの音から
地声から裏声へ移る時に裏返ってしまう原因は、地声の時点で喉に力が入っているからです。
地声を出すときに可能な限りリラックスして、必要最低限の力だけを入れましょう。
そうすると地声から裏声に移るときも裏返りが少なくなり、とてもやりやすくなるはずです。
息を漏れさせると、先ほどの脱力にも繋がりますし、何より裏声への移行が簡単にもなります。
また、同じ音を保つのが難しいと感じるなら、難易度を下げて、低めの音から練習をしていきましょう。
低めの音でメッサディヴォーチェの練習をし、感覚を掴んできたら、本来の換声点の音の高さで練習をするのがおすすめです。
無理をして出来ない音でやると変な癖がつくので注意ですね。
難しい練習ですが、是非チャレンジしてみてください。
換声点を克服するには時間がかかる

サイレン発声、メッサディヴォーチェの練習の肝は、換声点の音を地声と裏声でスムーズに行き来することが出来るかどうかです。
換声点という地声も裏声でも不安定な音域で、自由自在に地声と裏声を使いこなせるようになってくると、換声点も徐々に消えていくのです。
この2つの練習をすれば換声点がすぐ消えるというわけではありません。
毎日、短い時間でも良いので、換声点を克服するための練習を続けることで、喉の神経が少しずつではありますが開発されていきます。
時間がかかってしまいますが、換声点を克服するのに裏技的なものはないので、地道にコツコツ練習をしていきましょう。