・歌うときのお腹の状態がどうなっていればいいか分からない人
・お腹に力を入れないと歌えない人
・腹式発声が分からない人
歌うときのお腹についての説明をしていきます。
音楽の授業で先生から歌うときは「お腹に力を入れて！」と言われたことはありませんか？
確かにお腹に力を入れるといつもよりも声が出るようになる気がしますよね。
腹から声を出せとも言いますし、これが正しい発声と思う人も多いです。
しかし、発声学的には歌うときにはお腹に力を入れない方がいいです。
・お腹に力を入れない方がいい理由
・お腹に力が入ってしまう時の対策
意外と勘違いされている人が多いので、これを機に改善していきましょう！
間違った発声のまま練習を続けていては、上達までに非常に時間がかかってしまいますからね。
お腹に力を入れない方がいい理由
喉声になってしまう
お腹に限らず、体に不要な力が入っていると喉にまで力が入り、喉声を引き起こしてしまいます。
喉声は良い発声とは言えません。
発声できる音域が狭まりますし、高音を出そうとすると喉仏が上がって、苦しい声になってしまい、非常に聞き心地の悪い歌声になってしまいます。
スムーズな腹式呼吸が出来ない
通常、お腹に力が入ってしまうと腹式呼吸が上手く出来なくなります。
腹式呼吸が出来なくなってしまうと、安定した息の供給が出来なくなり、結果的に発声のバランスが崩れてしまいます。
お腹は息の量を調節するポンプのようなものです。
ポンプの動きが悪くなれば、息も安定しません。
スタミナの消費が激しい
歌い続けたときに、お腹に不要な力を入れずに正しく腹式呼吸が出来ている人と比べて、バテるのが早くなります。
お腹に力が入るってことはそれだけエネルギーを多く消費しているということなのです。
必要なところだけに力をいれることで、最小限のスタミナで長く歌い続けることができます。
お腹に力が入ってしまうのを防ぐには？
脱力を意識する
お腹に力が入るなら脱力すればいいって話です。
お腹だけでなく喉回りや首、肩、胸、手足などにも力が入っていませんか？
体のどこかに力が入ることで、お腹にも力が入ってしまうということは十分あります。
脱力のコツはとにかくリラックスして体を楽にすることです。
発声するのに必要な力を残しつつも、不要な力を抜いていくイメージですね。
出しやすい音程で発声をして、体全体で力が入っているところはないか確認していきましょう。
良い声を出そうと思うと、体が勝手に強張ってしまう人も少なくありません。
全体的に脱力を意識してみることで、お腹も脱力することが出来ます。
仰向けの状態で歌う
脱力に関係することですが、直立するよりも仰向けの状態の方がより脱力することが出来ます。
直立状態を維持しようとすると、足に最も負担がかかり、全身でバランスを取る必要があるからです。
仰向けの状態ならバランスを取る必要もなく、ただ体を投げ出すだけなので、余計な力は不要です。
仰向けの状態のままで発声することでより脱力した発声を感じとることが出来ます。
お腹に軽く手を当てる
全身の脱力は出来てるけど、お腹にだけ力が入る場合はお腹に手を当てて力が入っているかどうかを確認してみましょう。
お腹がガチガチになっているかすぐ分かりますからね。
また、きちんと腹式呼吸が出来ているかも確認するのを忘れずに。
低い音域から練習する
初心者に多いのですが高い音域に近づくほど、力で出そうとして体全体が力んでしまう人が多いです。
最初の内は出しやすい低い音域から発声練習をして、慣らしていくのがおすすめです。
低音は発声のベースになるので、そのベースが出来ていない内に無理な高音発声をすると、力みだけじゃなくて悪い癖もついてしまうので焦らずに練習をしましょう。
逆にお腹に力を入れた方がいい発声が出来る人もいる
基本的にはお腹には力を入れない方がいいのですが、中にはお腹に力を入れた方が良い発声が出来るという人もいます。
お腹に力を入れることで、喉回りの脱力に繋がり、良い発声が出来るという感じです。
もしも、あなたがお腹に力を入れた方が良い声が出ると感じるならば、それも間違いではありません。
結果的に良い発声が出来て、その声に自分が満足しているのなら、それでいいと私は考えています。
まとめ
歌う時はお腹には力を入れない方が良いです。
なぜなら、喉声の原因になってしまったり、腹式呼吸が上手くできなくなったり、体力の消耗が激しくなってしまうからです。
解決策としては、歌う時に体全体をリラックスさせることを意識するといいでしょう。
お腹に軽く手を当てて、必要以上に力が入っているか確認したり、低い音域から練習をしてみるのがおすすめです。
