リップロールとは?やり方とコツについて解説

実際の歌では使うことはありませんが、ボイトレにおいてリップロールは非常に重要な練習です。

歌を歌う前のウォーミングアップにもなりますし、発声のバランスを整えてくてれる効果も期待できます。

リップロールの練習をしなくても、又は出来なくても、歌は上達していきますが、個人的にはリップロールの練習を取り入れた方が成長の伸び率は違ってくると感じます。

目次

リップロールの効果って?

「リップロールをするよりも普通に発声練習をした方が身になるんじゃないの?」

「リップロールって効果ないでしょ」

「何故かリップロールをやるの?」

と思われている方は多いですが、リップロールの練習にはちゃんとした意味があります。

喉周りをほぐしてくれる

スポーツをする前にまずは準備運動をする、というようにボイトレも同様にいきなり発声練習をする前に準備運動、ウォーミングアップをするべきです。

そのウォーミングアップに適しているのがリップロールです。

リップロールは声帯をほぼ使わない発声方法のため、いきなり声を出すよりも、リップロールで徐々に声帯を鳴らしていった方が声帯も目覚めやすく、声の出も良くなります。

ボーカリストやだけでなく声優や司会者の様に声を商売にしている人たちは本番前によくリップロールをしていたりしますね。

個人的にもリップロールをしてからボイトレに入った方が、声帯の感覚が研ぎ澄まされているなと感じます。

発声する際の適切な息の量が身につく

「よく歌を歌うために必要な息の量は?」という質問を頂きます。

この質問に対して「基本的にはリップロールで長時間唇を震わせられる程度の息の量」と答えています。

もちろん、人によって発声のレベルやバランスは違いますが、大多数の方に対してはこれが正解に近いです。

通常の発声をしている時って、中々自分がいまどれくらの息の量を使っているということを感じるのが難しいかと思います。

しかし、リップロールなら唇が上手く震えているかどうかという明確な指標がありますから、適切な息の量についても一目瞭然というわけです。

少ない息の量で唇が途切れず上手く震えさせられるか、というところを突き詰めていけば、おのずと自分にとって正しい息の量が分かってきます。

地声と裏声を繋げられる(ミックスボイスの練習)

そして、リップロールは換声点の克服をするための練習やミックスボイスの練習にもよく使われます。

前述した通りリップロールは適切な息の量を身につけることが出来ます。

低音・高音、地声・裏声で息の量にバラツキが出てしまうと、声が崩れてしまったり、声が裏返ってしまいます。

リップロールで不安定になりがちな換声点付近、ボイスチェンジの音域を練習することで、滑らかにチェンジをする感覚を養えます。

換声点とは?ミックスボイスを出したいなら必見!

余談ですが、あの有名なマイケルジャクソンもリップロールを使った音階練習をボイトレメニューに取り入れていました。

リップロールを練習したからとってマイケルになれるわけではありませんが、1流歌手もやっているボイトレをしない手はありませんよね!

リップロールのやり方とコツについて

リップロール初心者の方に向けてポイントをいくつかお教えします。

舌の位置

特にこの位置じゃないとダメというのはありませんので、自分にとってリップロールをやりやすい位置を探ってみて下さい。

参考までに私の場合は舌先を下の歯の裏につけて、舌をぺたっと置く形にしています。

唇がかゆい

リップロールすると唇がかゆくなったら、こそばゆくなると思います。

これは間違ったやり方をしているからというわけではなく、ただ単に慣れていないだけです。

毎日やっていると何も感じなくなってきますので、気にせずにリップロールで練習をしていきましょう。

歯並びは関係ない

リップロールは息を流して、唇を震わせるだけのことなので、歯並びの良し悪しは関係ありません。

出っ歯やすきっ歯だったとしても、息の流しやすさは変わりありませんので、ご安心を。

リップロールが震えない、続かない

リップロールはそこまで難しい練習、技術ではありませんが、人によっては結構苦戦してしまうことも。

対策として別記事にまとめていますので、上手く出来ないと感じる方はこちらをご覧ください。

リップロールが上手くできない原因まとめ【解決方法アリ】

リップロールの練習方法

リップロールの効果と意味について説明をしました。

次にリップロールを使った練習方法を紹介していきますね。

リップロールの練習をする際は下記の注意点に気を付けて下さい。

・唇の振動が震えすぎたり、止まったりせず常に一定にする

・腹式呼吸を意識する

・リラックス(脱力)する

意味のない練習になってしまうばかりか、変な癖がついてしまうので常に意識しましょう。

目標時間を決めてひたすらにリップロールをする

腹式呼吸の練習と被りますが、ロングトーンや息の流す量を整えるのにおすすめです。

まずは15秒程度ひたすらリップロールをしていきましょう。

音の高さについてですが一番出しやすい高さの音からまずははじめましょう。

まずは15秒安定してリップロールが出来るようになれば合格です。

次は20秒、25秒、30秒と秒数を伸ばしていけるように練習してみてください。

最終的に30秒以上出来るようにしたいところです。

そこまで出来るようになれば、通常のロングトーンでもそれなりに安定して出せるようになっているからです。

そのレベルまで達したなら、音の高さも変えていきましょう。

無理のない範囲で出せる最低音と最高音でも練習をすると、更に幅が広がります。

リップロールでサイレンor音階練習

最低音から最高音、そして最低音までを1呼吸で戻ってくるサイレン発声もおすすめです。

最低音から最高音までを発声するため、低いところは地声、高いところは裏声になります。

ですので、最初のうちは地声から裏声に切り替わるところで、急に声が裏返ったりして上手くいかないと思います。

いかにしてリップロールで地声と裏声を綺麗に繋げて、低音と高音を行き来できるかを考えつつ練習していく必要があります。

コツをつかんで上手く出来るようになると、通常の発声でも地声と裏声の切り替えが以前に比べてやりやすくなっているはずです。

もちろん、リップロールでの音階練習も良いのですが、注意点として1音1音で区切らずに滑らかに発声をするようにしましょう。

区切ってしまうとリップロールの練習の恩恵が受けられませんからね。

リップロールすると高音で裏声になるけど合ってる?

よくある質問の1つですが、裏声になってしまってOKです。

むしろ、高音で裏声になっていなければいけません。地声で引っ張ってしまったりするのはよくありません。

リップロールで大事なのは、いかに安定して唇を震わせられるかということです。

言い換えると、息の量をブレなく長時間流し続けられるかということです。

これを意識すると自然に高音では裏声になりますし、低音では地声になるはずです。

リップロールの注意点

youtubeでリップロールの動画をアップしている人の中には唇を強く震わせるようなリップロールをしている方がいます。

が、これは間違ったリップロールなので真似しないでください。

この記事の最初の方で説明をしていますが、リップロールの目的は息を長く均等に流すための練習、息のコントロールするためです。

それなのに息を強く吐いて、長続きしないようなリップロールをしたところで、何も得られるものはないのです。

このように唇を強く震わせるリップロールは真似せずに、長時間かつ唇の震えが一定になるようなリップロールで練習しましょう。

リップロールのまとめ

効果ないとかやる意味ないとか言われてたりもしますが、リップロールは出来た方が良いですし、練習メニューに取り入れた方がいいです。

難しい技術でもないですから、1週間程度、試行錯誤してみれば簡単に出来るようになります。頑張りましょう!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

【2023年】当サイトの申し込み数TOPボイストレーニング教室

目次