ボイトレ本って数え切れない程たくさんの種類があり、どれを選んでいいのか迷いますよね。
「ミックスボイスを出したい」、「良い発声をしたい」、「声量を上げたい」という、悩みに対して、どのボイトレ本を買ったら良いのかって分かりませんよね。
私も昔は同じ様にどのボイトレ本を買ったら良いのか悩んでいた時期がありました。
ボイトレを始めたのが10年以上前になりますから、10年以上前から本屋に並んでいるボイトレ本を適当に買ってみたり、長時間立ち読みをしたりしていましたね。
もちろん今でも、最新のボイトレ本は欠かさずチェックをしています。
今回はその中でも正しい情報、有用な情報が書かれており、読めば確実に歌が上手くなる本を厳選し、まとめてみました。
ボイトレをするならボイトレ教室に通うのが歌が上手くなる一番の近道ですが、地方に住んでいたり、環境によっては教室に通うことが難しい方もいらっしゃると思います。
ミックスボイスを出したいという人も、これからご紹介をするボイトレ本だけでも十分に習得出来るはずです。
ボイトレ本を選ぶポイントと基準
現在、ボイトレ本は星の数ほど発売されていますが、残念ながら確実に歌が上手くなれる本はほんのわずかしかありません。
現役ボイストレーナーの私からみて、本で説明されている内容が不十分だったり、非効率的な練習が乗っていたりすることが多いんですよね。
ですので、ボイトレ本を購入をする前に必要最低限は抑えておきたい基準とポイントを説明しておきます。
なお、これからご紹介するボイトレ本は下記の基準を満たしたボイトレ本になりますので、安心して下さい。
著者の情報、実績など
現役のボイストレーナーや歌手が著者であればそのボイトレ本の信頼性は高いです。
著者の実績についても明記されているとなお、グッドです。
例えば、「これまでに○人の生徒を指導してきた」とか「有名歌手のボイトレをしてきた」とかですね。
上記の様な確りとした実績があれば、正確な情報が説明されている可能性は高いです。
練習トラック、参考音源のCDが付属しているか
ボイトレ本を買って、早速練習をしようと思っても、練習トラックがないと練習のしようがないですよね。
必ず練習トラックがあるものを購入しましょう。
練習トラックがあるのとないとでは、練習のモチベーションが全く違ってきます。(私の体験談です。)
また、発声についての参考音源がついているのも必須です。
この参考音源が無いと、本で説明されている声が具体的にどんな声なのかの判断がつけられないからです。
もっと言うと、著者が参考音源で発声しているとベターです。
感覚ではなく理論立てで説明されているか
「お腹から声を出して」、「声を遠くに投げるイメージ」、「爆発させるイメージ」、「心を開放して発声する」など、感覚での説明のみのボイトレ本はあまりおすすめできませんね。
著者の方はそのイメージで上手くなったのかもしれませんが、それは全員に当てはまるものではないからです。
おすすめのボイトレ本:フースラーメソード入門〈DVD付〉

フレデリック・フースラーという方をご存知でしょうか。
この方はスイスの発声学者でして、解剖学や生物学的な面で発声理論を研究された方です。
声楽関係の教則本に必ずと言っていいほど、フースラーの提唱したフースラーメソッドが紹介されており、フースラー著書の「うたうこと」は声楽発声におけるバイブルと呼ばれるほどです。
「うたうこと」は説明されている内容が非常に専門的なため、発声についてよく勉強をしている人で無いと理解をするのは難しいです。
この「うたうこと」を初心者にも分かりやすく、噛み砕いたものが、今回ご紹介をする「フースラーメソード入門」です。
付属のDVDでフースラーメソッドの根本となる声を当てる技術「アンザッツ」についての解説、練習をすることも出来ますので非常におすすめのボイトレ本です。
著者の情報は下記の通りで信頼性は高いですね。
著者の武田氏は、フースラーの高弟クレッチマーの流派でフースラーメソードを学んだ、直系の孫弟子にあたり、これまで3万人以上に芸能指導、発声指導を行った第一人者。
フースラーメソード以外にも、世界のあらゆる発声法や芸能史に精通し、俳優・声優・歌手はもちろん、ボイストレーナー、漫才講師、医師などへの指導でも定評があります。
欠点をあげるとしたら、タイトルに「入門」とありますが、中級者用のボイトレ本かなと感じましたね。
難解な学術書である「うたうこと」を一般向けに説明をしているとはいえ、ボイトレ初心者にとっては少々とっつきづらさがあるためです。
他のボイトレ本読んで、知識をつけてからこちらのボイトレ本を読むと良いかもしれません。
おすすめのボイトレ本:限界を超えるハイ・トーンが出せる本 (CD付き)

なんとこのボイトレ本、著者はハイトーンボーカルの第一人者である小野正利さんなんです。
小野正利さんは海外でも通用するハイトーンボーカリストでして、紅白歌合戦の出場経験もあり、ヘヴィメタルバンドgalneryusのボーカルを務めています。
更に自身でもボイストレーニングスクールも開いており、実績はもう説明不要ですね。
タイトル通りハイトーンに特化したボイトレ本ですので、ミックスボイスや高音に悩んでいる方には必見の内容となっております。
生徒への指導実績もあるため、内容も論理的で分かりやすいので、ボイトレ初心者におすすめの一冊ですね。
本の最後には小野正利さんが選ぶボーカリストが乗っており、こちらも非常に参考になりますし、面白いです。
ただ、小野さんの趣味でメタルバンドのボーカルばかりとなっております笑
おすすめのボイトレ本:歌う力”をグングン引き出す ハリウッド・スタイル 実力派ヴォーカリスト養成術(CD付き)

2005年に発売されて以来、様々なボイトレメソッドに応用をされているロジャー・ラブのボイトレ本、通称ロジャー本です。
ハリウッドスタイルとあるように、著者のロジャー・ラヴは本場のハリウッドでボイストレーナーをされています。
教え子にはエミネムやパパ・ローチ、ロブ・トーマスといった、有名な歌手が多く驚きです。
この本では3声区理論を提唱しており、地声と裏声ではなく、チェストボイスとミドルボイス、ヘッドボイスと3つの声の種類で説明がされています。
付属CDにはそれぞれの声の見本トラックもあるため、分かりやすいかと思われます。
また、CDの最後にはロジャー自身のお手本の付いたスケール練習があり、これが非常におすすめなんですよね。
本の内容に沿って、毎日、このスケール練習をしているだけでも充分に上達出来ます。
男女別に合わせた音域のスケール練習となっているので、女性の方や、男性で更に高い音域を練習したい方でも満足できるはずです。
欠点としては本で説明されている内容は確かなものですが、英文を直訳したような文章で読みづらく、CDも英語のためとっつき辛いかもしれませんね。

おすすめのボイトレ本:プログラムCD付き ミックスボイストレーニングで必ず歌がうまくなる本

ボイトレといえば、YUBAメソッド!と言われる程有名な弓場徹さんのボイトレ本です。
弓場さんの経歴は下記の通りでして、発声理論における権威と言っても過言ではないのでしょうか。
弓場 徹(ゆうば とおる、1956年 – )は、YUBAメソッド研究・研修センター 清風学園センター長、三重大学名誉教授、国立病院機構東京医療センター( 感覚器 )センター 客員研究員(2013-2016)、理化学研究所情報基盤センター客員研究員(2015-)、放送大学非常勤講師(2015-17)、米コロンビア大学客員教授(2001)、東京大学医学部客員研究員(2002.11-2008)、発声研究、声楽家(テノール)、YUBAメソッド創始者・YUBAメソッドインスティテュート創設者・代表である。 所属学会は日本耳鼻咽喉科学会員、日本音声言語医学会員。
YUBAメソッド自体は15年以上前から提唱されているメソッドになりますが、未だに根強い人気がありますね。
その人気の理由はYUBAメソッドのシンプルな理論・練習方法、そして実際に歌が上手くなった人が多いという点です。
YUBAメソッドは裏声から混ぜ声、所謂ミックスボイスを習得しようという裏声アプローチのメソッドになります。
順番としては裏声を重点的に鍛えて(地声も多少鍛えます)、地声と裏声を繋ぐ練習、最後に地声と裏声を混ぜ合わせて、ミックスボイスを目指すという流れです。シンプルですね。
付属CDに練習トラックもあり、1回20分程度で練習できます。
ですが、この本の唯一の欠点はシンプルすぎて逆に分かりにくいということです。
付属CDのお手本の声を真似て、練習をするとしか説明がされていないのです。
そのため、初心者にとってはどのようにお手本の息漏れの無い裏声や混ぜ声を出せばいいのか分からずに迷ってしまう場合があります。

おすすめのボイトレ本:3オクターブは当たり前! 喉に優しい魅惑のハイトーンボイス養成メソッド

ボイストレーナーとしてご活躍をされているAKIRAさんのボイトレ本です。
こちらのボイトレ本の詳細は別記事で紹介しています。
【決定版】ミックスボイスを習得するならこのボイトレ本がおすすめ!
amazonのボイトレ本売れ筋ランキングで1位を取っているだけあって、本の内容、付属CD、どれをとってもクオリティが高く良書ですので、購入して損はないボイトレ本です。

AKIRAさんはご自身でも現役ボイストレーナーとして精力的にご活躍されています。
昔、私もAKIRAさんに月2回の頻度で5年師事しましたが、発声の総合的なレベルアップをすることが出来ました。
こちらのボイトレ本だけでもミックスボイスを習得出来るとおもいますが、更に上達したい方は直接習うのも良いかと思います。