力強いミックスボイスを出したいなら地声ベースのミックスボイスを目指すことになります。
JAM PROJECTさんだったり、ONE OK ROCKのtakaさんのように強烈なミックスボイスは誰しも憧れますし、目標にしている人も多いのではないでしょうか。
ですが、ちょっと待ってください。
発声初心者の方が地声アプローチからミックスボイスを練習をし始めるのは危険だったりします。
喉声になってしまったり、変な癖がついてしまい、逆にミックスボイスから遠回りしてしまう可能性が高いです。
というのも、私も10年程前に地声アプローチからミックスボイスの練習をして、ひどい喉声になってしまったからです。
この記事を読む皆さんには私のように酷い遠回りをして欲しくないという気持ちでまとめてみました。
地声アプローチでミックスボイスを出すためのコツとポイント、そして最適な練習方法について解説をしていきます。
地声ベースのミックスボイスとは
高音域になっても、声が弱くならずに地声の声質が強く入ったまま発声できるのが特徴ですね。
地声ベースのミックスボイスでは、低音から中音にかけても、地声の強さを存分に発揮できるのですべての音域でパワフルな発声をすることが出来ます。
また、要所要所でミックスボイスから、完全な裏声にひっくりかえすことで、歌に変化をつけるテクニックも使えますね。
別記事にて、地声ベースのミックスボイスを使っている歌手をまとめているので是非参考にしてみてください。
地声アプローチのコツ
基本的にミックスボイスは低音は地声の方が強く、高音になればなるほど地声の割合が減って裏声の方が強くなります。
地声アプローチでミックスボイスを目指す場合は、全ての音域で地声を残すように意識をします。
高音になっても、出来るだけ地声を強く残すのです。
慣れていない内は、高音でも地声を残そうとすると、声が割れてしまったり、裏返ったりしてしまうはずです。
声が割れてしまう、声が裏返ってしまうのは、声帯閉鎖の力が弱いということが1つ考えられます。
対処法、コツとしてこの下記2つを意識してみてください。
喉仏の位置を上げる
いわゆるハイラリンクスです。
喉仏を上げることで、声帯閉鎖を補助して、高音でも地声を残す感覚を理解するということです。
もちろん、喉仏を極端に上げてしまうと、喉声となり、喉にダメージを負う危険がありますので、自分の喉を調子をみながら試してみてください。
長時間の練習や、hiF以上の超高音ばかりで練習をするのはおすすめしません。
エッジボイス
声帯閉鎖といえばやはりエッジボイスです。
エッジボイスの使い方としては、高音域のフレーズの頭に意識的にエッジボイスの音を入れます。
例えば、レミオロメンの粉雪のサビの部分で説明すると、
普通に歌うと「こなああああああああああああゆきいいいいいい」ですがこれを
「gこなああああああああああああゆきいいいいいい」や、
「ごなああああああああああああゆきいいいいいい」といった感じですね。
エッジボイスの「g」のエッジ音を瞬間入れることで、声帯閉鎖の感覚を残ります。
声帯閉鎖の感覚を残したまま、高音域に入ることが出来るので、声が割れたり、裏返ってしまうのを防げるということです。
地声アプローチの練習方法
地声アプローチでミックスボイスを出すのにはこちらの練習がおすすめです。
エッジボイスを入れた発声練習
地声アプローチのコツでも説明をしましたが、またまたエッジボイスを使った練習です。
それだけ、エッジボイスはミックスボイスを出すのに有用な声ということです。
この練習は曲を使って練習をします。
極端に高い曲出なければ、何でもOKです。
まず、先程はフレーズの頭にのみエッジを入れていましたが、これを全てのフレーズに対してエッジボイスを入れます。
またレミオロメンの粉雪を例とすると、
「こなああああああああああああゆきいいいいいい」を
「ごな゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ゆ゛ぎい゛い゛い゛い゛い゛い゛」といった感じです。
デスボイスとかガラガラとした声で発声するようなイメージです。
注意点として、喉はあまり絞めないように純粋なエッジの音を鳴らすようにして下さい。
喉を絞めてしまうと、正しいバランスで整っていた閉鎖が崩れてしまい、変な癖がついてしまうからです。
全てのフレーズにエッジボイスを入れて、歌ってみた後に今度はいつも通りの声で普通に歌ってみましょう。
この時に最初にエッジボイスを入れた歌っときの感覚を思い出しつつ、声帯閉鎖を保つ意識で歌うのがポイントです。
普段よりも声帯閉鎖の強い状態となり、高音になっても地声を比較的に残しやすくなります。
ミックスボイスの地声アプローチは難しい

自分の経験上、ミックスボイスを出すなら裏声アプローチの方が簡単、かつ安全です。
地声アプローチでミックスボイスを出そうとすると、昔の私のように喉声が悪化してしまい、喉締めでしか高音が出せなくなる最悪の状況になる場合があります。
喉声になると、いくらミックスボイスの練習をしたところで、何も上達はしなくなります。
もしも、練習のし過ぎで喉声になってしまったら、地声アプローチからのミックスボイスの練習は中断して、喉声を治すことだけに集中してください。